僕は君に心を。

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しばらくして、名前を書いた半紙を片手に、慎の家に突撃した私は、成田家の皆さんの前で堂々と子供の名前を掲げた。 これでも相当急いだんだ。だっていつまでもこの子を名無しちゃんなんて呼んでる慎があまりにも不憫でならなくなって。(私の世界がこいつ中心で回っているようで癪に障るが) 和室に飾られた私の汚い字で書かれた名前を見ながら、慎は言った。 「ありがとう、由佳。俺、由佳が決めてくれてまじ嬉しい。なんか泣きそう」 泣きそうなのは私だよ!ばか!と言う前に、糸が切れたように泣き出した私に、慎はびっくりしつつも微笑んだ。
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