─第15章─

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……どうしよう…。 横にズレようかな…。 そんな思考を読まれたのか、私の顔の両側に若狭さんは両手を壁に付けた。 完全に逃げ場を失ってしまった私に、 「未央ちゃん、震えてる。」 若狭さんは楽しげに笑った。 「ここじゃ、誰も助けに来ないよね? ま、いつもは早見先輩に邪魔されたけど、今は君のことなんてどうでもいいんだろうしね。」 くっ…悔しい…。 そんなことないって言ってやりたいのに。 顔を近付けられて俯いた。 「先輩はさ、いらなくなったから未央ちゃんのこと捨てたんでしょ? そんなオトコのこと、いつまでも引き摺ってないで、俺にしておきなよ。」 「それでもっ…自分の気持ちを偽ることはできません。 だから、片想いでも、早見さんが誰を想っていても、私の気持ちは変わりません。」 自分でも驚くほど凛とした声。 もちろん目の前の若狭さんも意外そうに目を丸くした。 .
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