22人が本棚に入れています
本棚に追加
そう思ったらようやく自分のしている事がいかに“未来予知無しではアブナイ”事なのかを再認識してしまっていた。
今このタイミングで人が来たらどう切り返せばいい?等。中に人が入ってこの娘を認識しただけでもアウトだ。
即警察に通報。とんかつが恋しい鉄格子に入れられてしまう。
――という訳でこんな時頼みの未来予知予知ぃ。この子に関わったらどうなるかを、と。出来れば何も無しあって欲しいけどね。
脳髄を未来へと張り巡らせる。余計な情報(?)を全カットする為に目を瞑り、そこに映し出される長い未来を一瞬で読み取る筈だった。
いつもなら5秒、調子が悪くても10秒で終わる。
「あれ?」
新記録更新。現在30秒経過。
いくら未来予知を発動しようとも、目の前に移るのは瞼の裏のみ。
「あれ?」
不発?
いままでこんなこと無かった筈なのに。
そもそも。
今日はやたらと調子が悪い。悪すぎる。悪いという言葉では済まされない。
まるで根っこの部分から腐り始めている様な感覚すら覚えるようになった。
最初のコメントを投稿しよう!