法則外れの少女

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 後4日で夏休み終了か。  そう呟きながら王立東京帝王大学高等学校の寮の中、扇風機に仰がれながらベットの上で今日もゴロリとしている少年が一人。  紺色の髪は地毛だ。目が紺色なのはそれも自前だ。あぁ? 染めるっておい待てやめろ赤毛モヒカン――  ――ってノリになる未来らしいからスーパーにすぐに行くのはやめよう……。  そんな未来を予知していた少年は今度は別視点の未来予知を開始する。ほんの5秒でいい。脳内に現れる未来の樹形図を全て把握し、そして一番いいルートを見つける。  それを計10回。最初の方だけは固形化していて未来予知する度に垣間見える世界が違うが、殆どその先の未来が変わらない。だからスーパーに昼飯を買いに行く過程の中で一番無難なのを選ぶ作業をしているのだ。  ――おお、1時間と3分後に行けばあのスーパーが抜き打ちセールやってくれるのか。全品半額はいいな。よしこの時間帯に行こうおう行こう。  それを知ると少年は携帯ゲーム機を起動させ1時間と3分の暇潰しを始める。  ちなみにこの1時間3分はこの寮から出ない限りは未来に何の確変も起きない事を確認済み。 「最強武器バニーの剣……これであのにっくき最終鬼畜裏ボスを倒せる……ッ!」  携帯ゲーム機の内容に関しても未来予知する。今やっているRPGでスロットをどのタイミングで押せば稼げるかを確認、後にそれで貯まったコインで強力な武器と変えてもらう、という風に。  それが千鳥奏翼(ちどり そうよく)の生き方である。
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