法則外れの少女

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 王立東京帝王大学付属高等学校。  東京ドーム3個分の大きさを誇る施設は日本最大規模の高校にして、偏差値で言えば最高ランクの高校。  王国の官僚又は貴族になるには東京帝王大学をスルーすることが必要であり、逆に卒業出来てしまえば必ず官僚や貴族になれるという、そんな王国一の有名大学の付属校。  この学校に入るにはまず“予知検査”という機械に掛けられ、厳しい特定の基準を通過する事が絶対条件。この後学力検査があるが、もはや形式上だけで名前を書かないなんて事が無い限り白紙でも合格してしまう。  予知能力が凄すぎて授業する前から内容を理解してしまう子供達ばかりを集めた様な学校。  “予知の天才”を集めただけの学校。  彼らのレベルの予知は幅が広すぎて失敗が皆無または殆ど無いの為に、日本を引っ張っていくのにも未来予知を用いて正しい方向に導ける逸材、という事だ。  千鳥奏翼もその一人。  “才能と幸福に恵まれた人間の一人”なのだ。  容赦なく今日も安定の幸せを謳歌し続ける。  スーパーからレジ袋を両手にぶら下げながら出てきた千鳥の顔にははにかみ程度の笑顔。こんな未来は分かっていた。当然の結果だ。と思うことも忘れている。
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