都市伝説「オチャカナ」

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夜になり、なかなかわたしが寝付けずにいると 「……ナ」 外からなにか声がするのです。 最初は空耳だろうと思い、それほど気にも留めずにいました。 しかし片言というか、ボソボソと不鮮明で聞き取りにくいのですが 「オチャカナ、オチャカナ」 と言っているように聞こえます。 そのうち壁の向こうでカリカリと引っかくような物音がして、 その音は次第に上へと、屋根まで移動したように思われました。 (なにかがいる) そして気が付くと、窓の隅から丸く光る目が見下ろしていたのです。 暗くてよく見えなかったにも関わらず、 直感的に(あ! あの生き物だ)と思った瞬間、 こんどは、はっきりと 「オチャカナ、オチャカナ。 ワタチノオチャカナヲカエチテオクレ……」
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