4人が本棚に入れています
本棚に追加
"……GHQより、現在活動中の各部隊へ……テロリストに触発された市民が暴徒化しB地区に向け大通りを南下中、レッドチームに近づいている、気をつけられたし"
インカムから聞こえてくる男性オペレーターの声がこの暑い夏日で溶けそうな頭の中を妙に冷たくさせる。
「こちらレッドチームリーダー、了解、応援部隊はいつ到着する?」
"こちらGHQ、応援部隊の到着は早くて10分後になる"
「射撃許可は出ないのか?」
"ネガティブ、我々はあくまでPKFだ、市民への発砲は禁止されている"
「おいおい、マズイんじゃないのかレイク!?応援は来ない、俺達が持ってる武器は本部がロックしている以上玩具だぞ!!」
後ろを走っている黒人のジェイクが悲壮な顔で話しかけてくる。
確かにジェイクの言う通りなのである、俺達が持っているMK-1500アサルトライフルはハイスペックな上打ち手を色好みしない優秀な銃ではあるが、本部がセーフティーロックを解除しない以上は玩具と同等なのである。
「よし、皆止まれ」
レイクの号令で後から走ってきた5人は物陰に潜む様にしゃがみ込み円陣を作る。
ビル街が並ぶこの大通り前はすでに砂煙りが立ち込めバスや乗用車などが横転し火をあげている。
「よし、オペレーターからの情報は聞いていたな?前方から南下してくる市民の暴徒がある、それを我々は静止させるか、時間を稼ぐだけで良い、また俺達はPKFの為、火器はセーフティーロックが掛かっている」
「それはご愁傷様だな」
金髪の女性兵士のクリスがウンザリとした顔で言う。
「確かに絶望的だ」
長身で誰よりも体が大きいダリスが自分の抱えている重火器を残念そうに見ている。
最初のコメントを投稿しよう!