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"あいつらの後方にRPGを所持してる奴がいてるわ、しかもどこで手に入れたかわからないけど赤外線スコープ型よ"
「確かに……最悪だな」
レイクがため息混じりにそう言う。
時間が過ぎるほどこちら側に不利な状況にしかならない。せめて火器管制のセイフティーが外されていれば他にやりようもあろうものだが一気に作戦のプランが半分以下に減ってしまう。
「おい、レイクまじでどうすんだ!?」
隣のジェイクが悲痛な声で話し掛けてくる。
もうそれほど、武装集団との距離は無い。
「チッ……ダリス!!ヤン!!聞こえているな!!」
"O.K!!軍曹聞こえてるぜ"
「3カウントで1ブロック後退する」
"イエス・サー"
「3」
カウントを始めると同時に腰を浮かして走る準備をする。
「2」
レイクが大きく息を吸い最後の一言を言おうとしたその時であった。インカムに凄まじいノイズと圧倒的な威圧感を上空から放つ多目的輸送ヘリのプロペラ音がレイク達の後方から聞こえてくる。
"レイク軍曹!!GHQより通達、射撃許可が下りました。"
「チッ……おせぇんだよ!!」
待ちくたびれかの様にレイクは手に持っているアサルトライフルの赤いランプが緑に燈るのを確認した。
"また、後方よりCAO所属のサーランス編隊が近づいて来ます"
「マーナ、奴らに通信を取れるか?」
"ダメです!!向こうから一方的に拒否されています!!"
「何なんだ奴ら!?」
そう思っているのは、レイク達だけではないだろう、道路の中央を歩いていた集団が浮足立ち始める。
すると一機のサーランスが地上に降下する。
地震の様な振動と、圧倒的な質量感、複合ロケットエンジンの音が、意気揚々と歩いてきていた集団の足を完全に止めさせた。
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