弐ノ変

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 あたしが相手が悪代官だということも忘れて、まるで子供のように吉田の胸に甘えていた、その時。 「晋作さん!! しっかりして下さい!!」  滝の叫び声が聞こえた。  あたしはびっくりして、慌てて吉田から離れる。  声は岩の向こうから聞こえていた。  吉田がすっと立ち上がる。  あたしも慌てて立ち上がると、声の方へ歩いて行く吉田の後を追った。  岩の向こうでは褌の尻集団んんん!!  何事?!  あたしは思わず後ずさってしまう。 「どうしたんだ」  吉田が声をかけると、褌の尻・・・じゃなくて奇兵隊士は道を開けた。 「高杉さんが!!」  皆口々にそう言う。  褌の尻の輪の中央では、滝が必死で横たわる晋作に呼びかけていた。  久坂はさすがに医者らしく、胸を叩いたり治療らしきことをしている。
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