弐ノ変

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「あれほど言っただろう。沖へ行くなと」  真夏にブリザードッ!!  寒いッ。  凍えるように寒いッ。  せっかく温まったと思ったら逆戻りィ!! 「すすすすすすすみませぇんんんん」  ひえぇぇぇと叫びたい気持ちを懸命に堪え、あたしは必死で謝った。  と。  ぎゅ  ん?  ぎゅ?  いや、ぎゅってかぎゅうぅぅぅ!!  まるで締め落とされるかのような強い力で、あたしは吉田の胸に引き寄せられ抱きしめられていた。  なななななななんでぇ?!  とくとくとく。  少しだけ早い吉田の鼓動が聞こえる。  あたしの頬にしずくが落ちた。  濡れた吉田の頬から落ちたのか。 「無事で良かった」  低い囁き。  ああ、心配かけたんだな。  あたしの胸が罪悪感できゅっと痛む。 「ごめんなさい・・・・・・・・助けて下さってありがとうございます」  吉田の手の力が強くなる。  あたしは体の力を抜いた。  この暖かい胸に、今は身をゆだねていたい。
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