壱ノ変

7/27

616人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
「な、な、な、何やってんだ!!」 「何って温泉に入りに来たんだろ」  晋作は揺れるものを隠そうともせず、ゆっくりと湯の方に近付いて来る。  ちょっと待て。  そのもろりはいかんだろッ。  せめて褌を装着してくれッ。 「あ―――――ッ!! 晋作さん、抜け駆け!!」  伊藤がばたばたとやって来る。  その姿を見てあたしは再び卒倒しそうになる。  だから隠せぇぇぇ!!  もろり二体を目の前に、あたしが視線を逸らそうとしたその時、 「やあ、つばめ。早いね」  三体目のもろり出現んんん!!  湯けむりぶらり旅ならぬ湯けむりぷらり旅ィィィ?!  しかもこれは・・・・・・・・・  おもわずガン見して比べてしまうあたしに、桂はちょっと誇らしげ。  勝ち誇ってる。  すべてにおいて勝ち誇っているッ。
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

616人が本棚に入れています
本棚に追加