壱ノ変

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 慌てて視線を逸らしたあたしに、 「大きさがすべてじゃねえッ!!」  晋作が言った。  それ、負け犬の遠吠えにしか聞こえないよ、晋作。  ちょっと哀れに思っていると、 「大事なのは技ァァァ―――――ぐはッ!!」  爆弾発言した晋作に、あたしはたまたま浮いていた桶を投げつけた。  一体成敗。  残る二体――――― 「気持ちいいなあ」  ん?  声にふと見ると、いつの間にか伊藤があたしの隣にッ。  こんのムッツリ!! 「神聖なる乙女の肌に近づくなァァァ!!」  あたしは水中で伊藤のボディに強烈な一発をぶち込む。  伊藤の屍はぷかーっと湯に浮かんだ。  その回りが鼻血で赤く染まる。  たく、このムッツリめ。
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