プロローグ

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脳内に時間が表示された。 現在、時計と言われる計器はない。 産まれてくる際、脳にチップを埋められる。 人類全員が、正確な同じ時間を共有している。余談になるが、携帯のように通信も出来る。 この小さな島国の名は、『日本』と呼ばれていたが最近は『人類共和国』と呼ばれている。 大分、昔の名言に『地球は青かった』という言葉があるが、今の地球はその時よりも青いだろう。 この小さな島国は開発が進み国自体を空に浮かすという前代未聞のチャレンジが成功したため、海に呑まれずにすんでいるが他の大陸は無惨にも呑まれた。 私は、時間を確認しながら母親に連絡をいれた。 〈授業終わった。今日は、はやめに帰る。〉 〈わかった。後、奈央。変な封筒がきていたよ。玄関においてるからね。買い物に行ってくるから、多分家にはいないわ。〉 変な封筒? 一体、どんなのだろう。 気になった。 友達なら、今母親とやっているように通信すればいい。 顔と名前さえわかっていれば通信はできるのだから。 あ、勿論嫌な相手だったら通信拒否もできる。 よく考えてみれば、すぐにわかったのに。 その封筒が何なのか位。
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