動物儀式

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「ん~、これで良いかな…。」 着慣れない制服を着て、鏡の前で髪を整える。 遂に今日は登校初日だ。初日といえばクラス決めがあるわけだ。 「早苗さんと一緒のクラスになれればいいなぁ。そうすれば話す機会も増えて、ゆくゆくは・・・グフフフフフフフフフフフフフフフフ」 等と気持ち悪い笑みを浮かべていたら、現在7時50分、登校時刻は8時40分だが、初日なので今日は早めに行くとしよう。 ちなみに俺は一人暮らしだ。 両親は二人共外国で働いている。 中学2年の頃仕事の都合でアメリカに行かなければならなかったらしい。 俺は日本を離れたくなかったので一人ででも残りたいと言ったら、両親はしぶしぶ了解を出してくれた。 今では仕送りで生活している。 少し寂しいとも思うが、これから来る高校生活に胸を膨らませれば、その寂しさもかなり薄れる。 「よし!行くか!」 俺は玄関に鍵をかけ、自転車にまたがり、学校に向かった。
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