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と、言う訳で冥界まで飛んで来た。
今日も幽霊達がやる気なさげに飛んでいる。
一部やけに激しく動いているのはメルランの演奏でも聴いたんだろ。
七神
「この辺は幽霊以外はいない、と
じゃあ、白玉楼に行くかな…仕事あるだろうし」
やたらと長い石段を見上げる。
…いつ見ても長いな、時間はまだまだたっぷりあるがショートカットするところはショートカットすべきだよな。
七神
「よっ……と、はい到着」
階段をすっ飛ばして白玉楼の庭に『逃げ込んだ』。
-瞬間、殺気がしたので桜の木の上に跳び上がる。
その直後、俺が立っていた場所に降り注ぐ美しい蝶と得体の知れない光り輝く物体。
ひどい砂煙がもうもうと舞い上がり、それが晴れるとぱちぱちと気の抜ける拍手の音。
紫
「いつものように見事な回避ね、七神」
七神
「今日は追撃が無いだけマシか…俺が暇してたら攻撃してくんの止めてくれよ…」
幽々子
「本当にね~、ふふっ紫ったらひどいわね~」
七神
「お前もな…」
縁側で優雅に茶を飲み菓子を楽しんでいる二人を見て冷や汗をたらしながら答える。
気を取り直して幽々子に仕事が無いか聞くか。
七神
「それはそうと幽々子、何か仕事は無いか?」
幽々子
「お仕事?ん~…」
幽々子が考えているところを見ていると紫が声をかけてきた。
紫
「なんで私には仕事が無いか聞かないのかしら?」
七神
「ここは冥界だからな、ここの主を優先した」
紫
「いけず~」
七神
「むくれても駄目だぞ…」
紫とほたえていると幽々子がぽん、と手を打った。
幽々子
「そうだわ~、食べたいものがあったのよ~」
七神
「ミスティアを捕まえて来いとか言ったら帰るぞ」
幽々子
「それもいいけど~…
『月の都』の桃が食べたいのよ~」
…………思わず絶句した。
いやいやいや、『仕事は無いか』と聞いたら『月行って来い』ってお前。
幽々子はにこにこと微笑み
紫は……
悪い顔をしていた。
魔理沙の家を一日中整理してた方が良かったかと、少し後悔をする俺だった。
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