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しばし沈黙。 今は休み時間だから、あと5分程で屋上を出なければいけない。 さて、どうしようか。 いきなり屋上に来て、すぐ帰るなんて不自然だし、もしかしたら和音が自分の所為じゃないかと不愉快に感じるかもしれない。 「何、してたの?」 「空見てた」 「ふん、厨二臭い」 「自負してる」 またやってしまった。 私はすぐ鼻で笑う癖がある。それを何度も幼なじみに注意されたのだが、一向に治らない。 また、しばらく沈黙。 今更ながら、初対面の相手に厨二臭いってどうよ。 「そろそろ行かなきゃ、授業遅れる。初っ端から遅刻とか有り得ないって」 「先行ってて、勘違いされたら嫌でしょ、美咲も」 初っ端から、と和音は続けた。 ふん、"も"って事は勘違いされたくないのか。 和音の言葉通り、そりゃあ初っ端から変な勘違いをされる訳には行かない。 誰が冷やかされて、嬉しいと思う感情なんて生まれるものか。 それじゃあと言って、ドアを開ける。 たんたん、と音をたてて階段を下りて、電気のついていない階下へと降りていった。 こんなにも早く、和音と会話できるとは思わなかった。 まさか名前で呼び合う仲になるなをて夢にも思っていない。 まぁ、クラスに馴染む為にも、友達を作る事はいい事なのだが、まさか。 教室につくと同時にチャイムが鳴った。 勿論和音はまだ教室には居なかった。一番後ろの窓際、私の席からは和音の席が見える。 先生が来てからも和音が来ない事に若干心配したが、授業を始める直前に和音は席につき、先生はまたか、と軽く叱るだけだった。 ふん、和音はちょっとだけ不良らしい。 授業中もちゃんとノートを取ってるかとおもいきや、寝てたり(ぶっちゃけ周りの生徒はだいたいそんな感じだったけど)。
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