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アースは立ち上がれない体の中、指だけをフリーズに向けている。
その体勢のままアースは、指から2本の光線、いや、水線を出した。
「く…!!」
フリーズは傷口を抑えながら、片手だけを前に出す。
しかし、片手で2本とも防げるわけはなく、1本は凍らせたものの、2本目はフリーズの体をいとも簡単に貫通した。
腹部に2つ、小さな穴が空いている。
「う…内臓ばかり、潰しやがって…。
はぁ、はぁ…」
「水の能力は…攻撃力が低いですね…。
やはり、ジッポさんのお力を借りましょうか」
「俺も…終わりにしてやるよ…」
アースはライターと小瓶を取り出し、フリーズは手から本日最大の扇を造り出した。
アースは赤い煙を出し、よろけながら立ち上がる。
「よっしゃ、行くぞ!」
アースの掌の上では、人の顔ほどの大きさの炎が燃えている。
フリーズも、巨大な扇を構えた。
「おおぉぉお!!」
「“零扇”(れいせん)」
2人の攻撃はぶつかり合い、部屋に大きな衝撃音を響かせた。
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