夜道

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じゃり。 ふと地面をずる足音が聞こえて、首をそちらに向けると。 防寒具はマフラーだけした、背の高い女がこちらを見ていた。 守口はゆっくり煙を吐き出しながら、見つめてみる。 視線がぶつかっても、お互いすぐには逸らそうとせず。 一度口から離した煙草をもう一度吸う気もなく、ぼんやりと見やっていると、彼女の口が動いた。
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