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和菓子を作っている時が私にとって一番好きなそして幸せな時間。 「器用だな本当」 「お世辞は――って貴方!まだ安静にしていないと」 なんとまだ完治していないのに階段を降りてここリビングの台所へとのこのこやってきたのだ。何をやっているんだこの男は。 「いや、世話になってるから何か手伝えたらと思った」 「貴方は怪我人なのですよ! そんなほら部屋に戻りなさい」 まともなことを言う彼には驚かされたが 「いや、これが意外と動ける」 「無理に動かさないで下さい」 「大丈夫だ」 「李さんに言い付けますよ、叔母さんは看護婦さんでしたからこういうことはちゃんと叱ってもらえますよ」 沈黙。 「それは……怖そうだな」ぼそっと言った。 その通りである。彼女は優しくも厳しい看護婦の鏡である。 「じゃあ部屋に」 「それ、店に出すやつなのか」 彼は私が作りあげた桜餅を指して言った。話を変えた。いや戻された。 「……出せないですよ、私のはまだまだ」未熟者です。 「それじゃあ……頂こう」 「お行儀の悪い――じゃなくて!」 「……やはり上手いな美味しい」 「だーかーら」 なんてやりにくい相手。テンポが狂う。そしてくしゃくしゃに頭を撫でられる。それにしても 「……お前小さいな」 「なっ!」 先程から見下げられてるのに甚だ不愉快だったのだ。私が小さいのではなく、彼が高過ぎるのだ。180くらいはあるとみた。
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