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ドアを叩く音が響いた。
四階にある前までは空いていた部屋。そこには私が持ち帰った人がいる……はずだ。
「失礼します」
返事がなかったので入らせてもらった。
ドアの直ぐ左側に机が置かれており奥に布団が敷いてある、といったシンプルで小さな部屋であった。
布団には先程ここの部屋の主になった人が寝ていた。取り敢えずもうすぐ目が覚めるはずだからお茶を持っていって、という叔母さんからの任務を達成できそうだ。
しかし彼は目を覚ましたらしくむくりと起き上がろうとするので二重にぎょっとなり
「まだ安静にしていて下さい」
とお茶を机の上に置いて駆け寄った。
彼は上半身は裸でその身体は沢山の包帯が巻かれてあった。
うわ、筋肉質。
最初は体型からしてそんなに筋肉があるとは思えなかったのだが。
「何か」
「いえっ……え、あ……意外と筋肉があ、あの凄いなあと」
うえ、何言ってるの私。落ち着きなさい。自分でも顔が紅くなるのが分かった。
「ん、まあ鍛えていたから」
じゃあ鍛えて鍛えまくってしまえばこんな体になるのかしら。
そう私がぼーっとして考えを巡らしていたので彼が口を開いて尋ねた。
「珍しいものか? 男の体を見たことが無いのか」
「あ、えーと……はい」
「なんだ、処女か」
え。
あ、え。今なんと。
「しししょじっ……、ううせ、セクハラですよ!」
思いっきり後退りをした。背中が壁に付くまで後退りをした。
「なんもしない そんな幼児体型でぺったんこな胸に用はないからな」
「幼児体型? しかもぺったんこですって!?」
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