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冷蔵庫に大量のポテトサラダを入れ、封筒を机に置いた。
「なぁんだ。お弁当かぁ」
「何を期待してたんだよ…」
紗季は両親と暮らしているが、俺の料理を目当てに上がり込むことが度々ある。
(ほぼ)一人暮らしの家に上がり込むのもどうかと思うが…。
「見たらさっさと帰れよ。今日は弁当しかないんだから」
はいはいと軽く流しながら俺の前に座る。
ガサガサと封筒を開け、中身を取り出した。
「……何だコレ?」
それは黒い本。
本とは言っても随分薄い。
「何?本かしら?表紙に何も書いてないわね」
紗季の言う通り、表紙にはタイトルも絵も載っていない。
縁取りが少しあしらわれてるだけ。
「勧誘のチラシか何かかな?開いてみたら?」
紗季に促され、本を開いた。
「…………」
「何か書いてあるの?ねえねえ」
紗季に本を向ける。
「……まっしろ」
まさにそう。
白紙。
何も書いてないのだ。
残りのページも捲るが、やはり白紙。
「な~んだ。面白くないなぁ」
紗季は興味を無くしたらしく、大きくため息をついた。
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