リセット

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「……リセット?」 能力(チカラ)というのも胡散臭い話だが…とうとう意味が分からなくなってきた…。 「ふむ…口で言って分かるものでもないか…」 仁は立ち上がり、カウンターに置いてある飲みかけのコーヒーを持ってきた。 「見ていろ」 そう言うと、仁はコーヒーを床へ溢した。 「あんた!何してるんだ!」 慌ててカーペットをティッシュで叩く。 だが、コーヒーの染みはどんどん広がる。 「あぁ…ったく。何を考えて…」 すると仁は俺をしっかりと見据え、中指と親指をくっ付けた。 「リセット」 そう言って指を擦り合わせ、パチン、乾いた音を響かせた。
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