神の領域

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思わず息をのんだ。 現実味の無い話。 だが確実に存在している。 リセット。 詳細は解らない。 だが…ある種それは神の力という物ではないのか? 「そもそも、お前を死の間際に追いやったのにも理由はある」 コーヒーをカウンターに置き、仁はソファに戻った。 「この能力は使う者を選ぶ。それを我々は『行使者』と呼ぶ」 行使者。 そういう意味か…。 「リセットの行使者の条件は、『力の干渉を受け、尚且つ記憶を保つ者』だ。つまり、本来ならお前は死の間際の記憶も、私の記憶も存在しないのだ」 「普通ならアンタを覚えてもいないし…自分が死にかけた記憶もない…って事か」 「そうだ。だが、お前にはそれがある。行使者である何よりの証だ」 仁はノートを机に広げた。 「これは契約書だ。これにサインをすれば、お前はリセットの行使者となる」
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