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軽めの朝食を取り、身支度を整える。
「行ってきます…」
誰もいない空間に声だけが響く。
玄関を出て、鍵をかける。と…
「おはよ。昌孝」
「ん?ああ。おはよう紗季」
茶色がかったロングヘアー。
腐れ縁の幼なじみ。
名前は倉田紗季。
紗季は医療専門学校に通っている。看護師が夢だと小さい頃から言っていた。
「後ろ。ちょっと寝癖残ってるわよ」
「え?本当かよ…」
言われた部分を撫でると、確かに髪が逆立っている。だが、直している時間はない。
「じゃ。仕事頑張りなさいよ」
「あ、ああ。そっちこそな」
軽く手を振り、紗季は反対へ歩いていった。
俺も行こう…。
そう思い、仕事場への道を歩き始めた。
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