記憶

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階段を降り、洗面所で鏡を見る。 ……ひどい寝癖だ。 軽く水で濡らし、それなりに整える。 一人には広すぎる家。案外不便だ。 「………あれ?」 何だ? 何か……おかしい。 デジャヴ…? それにしたって……何か……。 冷蔵庫を開けて夕飯の分の食材がないことを確認する。 「何で…知ってるんだ…?」 デジャヴなんかじゃない…。 知っている。 俺は…同じことをした。 しかし日付も時間も間違えていない。 空腹感はあるが、朝食を取った記憶がある。 分からない…が、とにかく時間はない。 朝食を取り、身支度を整えた。 「行ってきます…」 これも同じ…そう。確かに言ったんだ。
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