ーばばぬき開始ー

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「…ディーラーJ」 なぜ、そう思ったのかは分からない 直感的にそう思ったのだ 『やぁ、やぁ皆さん ごきげんよう 私はディーラーJ』 やはり、ディーラーJだった スーツ姿で椅子に座り足を組んでいる そして顔には不気味に笑みを浮かべる仮面 声はビデオの早送りのように加工され さらに不気味さを増している 「ふざけるな」 「ここからだせ」 「ぶっ殺すぞ」 ホールの中はパニックとなりあちらこちらで罵声がとぶ 「…地獄だな」 隣で身構えていた北條さんが小さくつぶやいた その顔には汗がみえる Jはしばらく黙り ため息をついてから口を開いた 『…黙れよ』 一瞬で体が硬直するのが分かった 決して大きくはないその声だったが 人々は一斉に黙り誰一人として口を開けなかった 殺意とでも言うようなものが声にこもっていた 「俺らに何をするつもりや!」 静寂となったホールで声を発したのは北條さんだった Jは足を組み替えると口を開いた 『何って、ばばぬきだって言ってるじゃん …まっ命懸けだけどね』 ホールがざわつく 『んじゃ、ルール説明 Iちゃん頼んだよ』 「了解致しました」 返事をしたのは俺を連れてきたディーラーとはとは別のディーラーだった その姿は青い髪に青い目そのほかはディーラーFと何も変わらない 「では、ルールを説明させていただきます」
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