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Day 5/18 13:00
fromディーラーJ
sab (nottitle)
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・ばばぬき開始の時間となりました・
迎えのディーラーの指示に従ってください。
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「はっ!?」
「…そうかテレビだな」
俺は頭を納得させれる答えを見つけた
テレビのドッキリだな
「おい、もうばれてるぞ」
早くこの状態を抜け出したく
夜中なのもお構い無しに叫ぶが、いくら叫んでも人の気配はない
「…帰ろう」
俺はこの場から離れようと家の方向に早足で歩き始めた
ピロリパラリピロピロリン
足が再び地面に縛りつけられたように止まる
「…またきた」
焦っていたせいか、握りしめたままの携帯を見る
「メールが来てない?」
新着メール0件の表示
それでも音は少しずつ大きくなっている。
いや近づいてる?
音は大きくなると言うより、こっちに近づいてるように感じた…
ゆっくり、呼吸を整えながら音の出どころを探す。
あの柱時計だ…
あそこから聴こえる。
振り返り柱時計を見る
ピロリンパラリンピロピロリン
間違いない、柱時計からメロディーが聴こえる。
「何がどうなってるんだ?」
その時だった柱時計についている扉が開き始めた。
そして扉の内側にあるものに気づく
手が見えたのだ。
「…ディーラーがくる」
頭の中にあのメールの文面が繰り返し読まれる。
扉が開くにつれてメロディーがでかくなり耳が割れそうな音量になる。
「逃げなきゃ…」
危険を感じ逃げようとするが足は相変わらず固まったまま動けない
ギィ、ギィ
メロディーの爆音の中に扉が軋む嫌な音が混じる。
…柱時計が完全に開くと中から人が表れた
女だ、赤い眼にポニーテールの黒髪、マネキンの様に妙に整った顔をしてカジノのディーラーの格好をしていた
女がすっと立ち上がった瞬間
ピロリンパラリンピ…
メロディーがぴたりと止まる。
静寂が戻った住宅街で
女はゆっくりと口を開き始めた。
「案内をつとめるディーラーFです。
会場へご案内致します」
その声はひどく冷たく機械的だった
カッカッカッ
ディーラーFはヒールを鳴らしながら俺に向かい歩いてくる
「ヤバい、ヤバい」
そして、目の前で止まると俺の手を掴んだ
反射的にその手を降り離そうするが、女は微動だにもしない。
『行きましょう』
俺は意識を失った 。
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