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「で、篠さん。
今のなんだったんですか?」
信号待ちで宮下さんが私をのぞき込んだ。
長い前髪から覗く瞳から目が逸らせなくて。
ズクン…
体の血液が針のようになって私を責め立てている錯覚に陥る。
「ん。
人間てさ、一緒に御飯食べたがるじゃない?
仲良くなりたい人とさ」
だから…
信号がかわった。
アクセルを踏み発車する。
「心が満たされる事は、
胃袋が満たされる事なのかなって思っただけ」
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