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宮下さんの家の前に車をつける。
「ほぃ、到着~」
宮下さんが車を降りる気配がない。
「あの、やっぱり違う気がします」
はぃ?
「仲良くなりたい人と御飯を食べても
心は満たされないですよ」
「うん、まぁ私が感じただけのことだから気にしないで。普通はそうだよね」
「いえ、ちがくって!!」
宮下さんてこういう不毛な論争が好きなんかな。
彼女をみると、興奮しているのか頬が紅潮している。
かわいいなぁ。
「だっておかしくないですか?例えば片思いの相手と一緒に御飯食べても、全然満たされないですよ?」
黒板を爪で引っ掻いたあのかんじ。
不快感。
あ~…。
そういう状況があったのね。 そりゃぁ興奮するわ。
ギギギ…。
私のからだの一部がうまく働いていないようだ。
例えを使っているのに語尾は断定。
クローゼットに私の不協和音をすべて押し込む。
片思いしてるひとがいるんだね。
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