ふぁーすと こんたくと

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 勢いよく教室に入ったはいいのだけれども……困った。  月明かりが照らす教室には二人の男女。  馬乗りになった男は何故か頭から血を流している。  服装から見るに多分うちの学校の生徒ではない。  襲われているいる方は見知った顔だ。  クラスメートの霜月風花。  確か図書委員かなんかをやっている物静かな少女だ。  あまり話したことは無いが何故こんな時間に教室に? 「ったく、人様の食事の邪魔すんじゃねぇよ」  男は霜月の腕を無理やり振り払い立ち上がった。 「あー、えーと」  こういう時は拳と拳で語り合うというやつでしょうか。  個人的には穏便に済ませたいんですけどねぇ……。  この場合俺の方から行かないとなんというか……格好がつかないというか……。  別に格好つけたいわけじゃないけど、少なくとも取り押さえて警察でも呼んだほうがいいよね……というかなんかキタァァァァァ! 「ふん! 人間のくせに避けんじゃねぇ!」
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