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一瞬だ。
一瞬で数メートルあったはずの男との距離が詰められ拳が振り落とされた。
「なっ……」
振り向くと後ろの黒板が凹みパラパラと破片が床に降り注いでいた。
本能的に首を反らさなかったら……スイカ割りじゃねぇんだぞ。
なんだコイツ、スピードといい破壊力といい人間じゃない。
なんなんだ……。
なんなんだ……。
「なんなんだよお前……」
つい声に出てしまった。
「なんなんだよお前か……」
男は俺の顔に後数センチでくっつきそうなくらい近づき、笑った。
「ははっ! ただの通りすがりの化け物だよ」
そして胸倉を掴み、俺の体を後ろの黒板に叩きつけた。
「……化け物」
「ああ、そうだよ。とりあえずお前は食事の邪魔だから死ねっ!」
男が再び拳を振り上げた時だった。
「う゛ぅお゛ぅえ゛っ!」
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