ふぁーすと こんたくと

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「ったく、やっかいなものが入ってきやがって」  二人の重い沈黙をいい感じに破って教室に入ってきたのは一人の男だった。  アッシュブロンドの長髪に金色の瞳が特徴的な黒いスーツを纏った男は教室の電気を付けるなり、ポケットから携帯電話を取り出し、 「あーもしもし翡翠? なんか生徒二人に見られちゃったっぽいんだけど」  俺達を一瞥すると電話をかけ始めた。  なんというか……この人も普通じゃない気がするんですが。  霜月と顔を見合わせる。  彼女も少なからず身構えているのを見ると何か男から普通じゃないオーラが感じられるのだろう。  嫌な予感がする。 「あーはいはい、いつも通りの処理で」  そう言い通話ボタンを切ると男は俺達に向き直り、 「じゃあそーゆーことで」 「は?」  手を翳しーーーーそこで俺の意識は途絶えた。
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