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少々口が悪いようで。
「事実を述べたまでです。ロリコン野郎! さっ、瑠美こっちに来るのです。そんな男の膝の上にいたら食べられてしまいますよ!」
瑠美と言われた幼女。
まだ三歳になったばかりのまるで日本人形のような黒髪とクルッとした瑠璃色の瞳が愛らしい彼女はケチャップを持ったまま俺に抱きつき、
「やっ! ママきらいー!」
「がーんっ!」
あぁ、ケチャップが俺の着ていたパーカーに……染み抜きが……。
そんなことより、察してもらえれば分かる通りお母様。
いやいや、染みになったケチャップの事も大事ですけどね。
私、花見月春樹は……その……なんというか……一児の……父親になってしまったわけです。
まぁ、経緯について語れば長くなりますが……。
「ただいまー! おーい、春樹いるかー!」
なんの躊躇いもなく、リビングのドアを開けて入って来たのは、燃えるような赤い髪の毛を肩口までで切りそろえた少女。
彼女の顔は少し困惑していた。
嫌な予感がする。
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