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「ソーウ君?知り合い?」
エレベーターに乗り込み、7階のボタンを押しながら泰斗が尋ねる。
「いや、知り合いじゃない。ただ、火と飴を交換した仲。」
伝わらないことは承知で事実を簡潔にまとめてみた。
「何それ、わけ分かんね。
はぐらかすの?
ソウ君ひどーい、ちゃんと説明してよね、あんな可愛いお友達がいるなんて。」
「お前、話聞いてた?
全然友達じゃない。
つーか、ちゃんと説明してよねって…
泰斗、お前は俺の彼女か。」
「違うの?」
泰斗が下から俺の顔を覗き込んで上目遣いで見てくる。
「…泰斗、キモい。
ほら、着いた。」
アイツ、同じビルに入ってる会社で働いてたのか。
顔とか雰囲気とか、やっぱ煙草似合ってなさすぎ。
そして、泰斗がたまに繰り出すぶりっ子キャラの謎、真相はいかに。
そんなことを思いながら俺は再び仕事に取り掛かった。
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