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天使ちゃんはツンとした顔でこっちへ歩いて来て、いきなり俺の腕を掴む。 「は?」 「は?じゃない。」 そう言って彼女は俺をベンチからかなり離れた場所までぐいぐい引っ張って行った。 「ねえ。」 あからさまに不機嫌な顔をしている。 「何、火?」 「違う。」 「で、何?」 「こーんなに可愛い、知り合いの女の子が男に絡まれてたらさ、助けてよ。 あなた男でしょ。」 あ、俺、怒られてる。 気になる点もいくつかある。 当たり前のごとく、自分が可愛い宣言して。 しかも俺らは知り合いだったのか? そして助けは必要だったのか? 「ハハ、助け、特にいらなかったじゃん。 可愛い顔に似合わず、結構強いね。」 「そういう問題じゃない。」 今度は泣きそうな顔になって、でも相変わらず怒ってる。
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