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「…来週あたり、お詫びにお昼奢ってよ。」 あの日、電車の中で天使ちゃんはそんなことを言い出し、 お詫びをしなければならないほどの失態を犯してしまったのかどうかは謎だが、 要するに、どうやらそういうことになってしまった。 連絡先を交換し、初めて名前を知り、俺の中でようやく”知り合い”へ昇格した。 戸田彩羽。 それが天使ちゃんの名前だ。 彩羽でイロハと読むらしい。 彩り豊かな表情。 天使みたいなふわふわしてて儚げな容姿を思わせる”羽”。 何か、ピッタリだ。
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