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1階のエントランスで待ち合わせ。
「あ、いた!」
戸田彩羽が駆け寄ってくる。
「私ね、今日、公園の前の定食屋さんの鯖の塩焼きが食べたいのよ。
それでも、い?」
そう言ってすかさず上目遣い。
自分がかわいいとあれだけはっきり認識してることから憶測するに、
これは絶対計算である。
計算だと分かっていてもやっぱりかわいいと思う。
そして、昼飯のチョイスが渋い。
「ハハ、いいね、鯖の塩焼き。」
戸田彩羽。
何だか不思議というか、
掴み処がないというか。
良くも悪くもしばしば期待を裏切る。
変なやつ。
ギャップ有りすぎ。
それが、男をときめかせるようなものではないにしても、
くるくる色んな顔を見せる戸田彩羽に、俺は少なからず興味や好感めいたものを抱き始めていた。
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