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定食屋に着き、二名席に通される。 店内はサラリーマンのおじさんで混雑している。 絶対絶対食べるべきだと豪語するから、俺達は2人とも鯖の塩焼き定食を頼んだ。 「いただきまーす。」 運ばれて来た定食を目の前に、本当に嬉しそうな顔。 こんなに喜んで貰えるなら食べられる鯖もさぞかし嬉しかろうと思いながら、俺は戸田彩羽についてのリサーチを開始する。 「あなた、俺の知り合いなんでしょ? 自己紹介して。」 「戸田彩羽。 次から”あなた”じゃなくて”彩羽”って呼んでね? 歳は23。 あ、私あなたのこと知ってたの。 佐藤商事のイケメン、工藤創士さん。 7階、でしょ?」 彩羽はここまで一気に喋って、少し得意げな顔をしてみせた。
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