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「わ、ありがと。」 俺の1m左隣りで煙草をぷかぷか吸う女。 まだ冷たさが残る4月の風に吹かれて、肩下まで伸びた色素の薄い髪がさらさらなびいている。 丸い大きな目。透き通るような白い肌。 …何か、何て言うか、天使? 少し幼くて、純粋で、儚げな印象を与える風貌なのに。 煙草なんて吸っちゃって残念、と脳内評価していると天使ちゃんが俺に向き直る。 「あの、ありがと。手出して?これ、お礼。」 そう言って天使ちゃんは俺の手に飴を一つ置いてすたすた行ってしまった。 …はちみつレモン。 俺、甘いものあんまり食べないんだけど。 もらった飴を鞄のポケットにしまい、会社に戻った。
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