サラのともだち

お別れ

あるところに、お父さんと女の子の二人だけの家族がいました。
女の子はとても、元気で明るく素直ないい子なので、友達がたくさんいました。
名前をサラといいます。
兄弟がいないサラはウサギのぬいぐるみがお家での話相手です。
仕事で帰りが遅いパパの代わりにぬいぐるみがサラの話相手をしてくれます。
ある日、パパがサラに言いました。

「サラ、パパは島を買ったぞ。二人だけの素敵な島だぞ。」

地図を広げると、小さい点のようなものを指差して、パパは嬉しそうな顔を作りました。

「今は誰も住んでいないが、これからは、パパとサラだけの島だぞ。どうだ気に入ってくれるかな？」

「うん、本当に素敵だわ。」

サラがそう答えると、とても満足そうな顔でパパはサラを抱き締めました。

「明日、この家を引っ越すぞ。」

「はい。パパ。」

その日の夜、トランクにお洋服や本、死んだママから貰った甘い香水瓶を詰め込みました。
荷物の整理が終わると、サラはベッドに潜りました。
隣の部屋では、ガタゴト音がしています。パパがまだ荷物を片付けているみたいです。
サラは明日、友達とお別れをしなくてはいけません。
木登りが上手なニックお菓子が大好きなカレン
料理が得意なジニー
いたずらが大好きなアガサ
物知り博士のエドガー
みんなみんな大切な友達です。
おしゃれが大好きなマギー
クールでハンサムなジョージ
冒険が大好きなトーマス
わがままばかりでみんなを困らせるレベッカ
歌手を夢見るブロッサム
みんなみんな、大好きな仲間です。友達のことを思うとサラは悲しくて涙を流しました。サラは知らないうちに眠っていました。