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「この箱には何が入っているの?」 「これは魔法の箱さ。何かと引き替えに欲しいものを出してくれるんだ。」 サラは手品師の持っている箱に興味が湧きました。 「じゃあ、このピアスをあげるから可愛いリボンが欲しいわ。」 サラはピアスを箱の中へ入れてしまいました。 「すまない。最近、この箱様子がおかしくてね、決まったものしか受け付けてくれないんだよ。」 手品師は箱に入れたはずのピアスをさっと右手に出してサラに返しました。 「お金が大好きになってしまって」 言いながらコインを1枚箱の中に入れて数回振りました。そして箱を開けると白いレースのリボンが出てきました。 「引っ越し祝いだよ。サラ」 「わあ!ありがとう。」 サラはとても喜び早速髪に結んで見せました。 「よく似合っているよ。」 手品師も嬉してサラの頭を優しく撫でました。 「おや、箱が何か言ってるよ」 手品師は箱に耳を近づけます。 「何て言ってるの?」 サラも箱の声を聞きたくて耳を近づけます。 「ふむふむ~」 箱の声はどうやら手品師にしか聞こえないようです。 「仕方ないなあ」 手品師は箱にコインを二枚入れました。箱を振ってみると、中からピンクの石がついたペンダントが出てきました。 「はい、これは箱から君への引っ越し祝いだよ」 「わあ、わあ!ありがとう!」 サラは箱の頭を撫でました。 サラは笑顔いっぱいで手品師に手を振りました。
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