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現れたのは二人の男
黒と白
その一言に尽きるその姿に言葉をなくしながらも、どこか疑心に満ちた視線をするクラスメートたち
『予定よりも多いな』
《本来は一人のはずです》
『減らすか?』
《いえ、得策ではないでしょう。彼に意志を委ねるべきです》
黒の男はどこか高圧的で、白の男はどこか柔和な印象を受ける
一人、彼。左右の男はそう言った
ならば、この俺を含めたクラスメート45人のうち一人が本来ならこの場所にいて、他の44人がその一人のとばっちりを受けたことになる
――その一人とは、誰が?
《あなたです》
『お前が、その一人だ』
気づくと俺を挟むようにして二人の男が立っていた
「…え?」
その一瞬の出来事に、俺を除いた全員が波紋状に数メートル後ずさる
「だ、誰だお前ら!?」
いち早く、言葉を発したのはよく教師と口喧嘩をする中島 雅司(ナカジマ マサシ)
『我々はお前たちで言う神だ』
《私たちは、一つの世界において二人で一つの神なのです》
『しかし、とある危機がお前たちの世界に訪れようとしている』
二人の男は神と名乗っていながらもまるで、俺達の世界の神ではなく別の世界の神であるように聞こえた
《その通りです。私たちはこの世界の神ではありません
そして、この世界の神はあいにく、私たちほどこの危機を危険視していません》
――会話がつながっている?
すなわち
―――――心を?
『今頃気づいたのか、我々がお前の心を読んで会話していることに』
「ち、ちょっと待てよ!
神だって?じゃあここはどこなんだよ!?
まさか、天国?いや地獄か!?」
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