プロローグ-経緯-

3/8
前へ
/22ページ
次へ
現れたのは二人の男 黒と白 その一言に尽きるその姿に言葉をなくしながらも、どこか疑心に満ちた視線をするクラスメートたち 『予定よりも多いな』 《本来は一人のはずです》 『減らすか?』 《いえ、得策ではないでしょう。彼に意志を委ねるべきです》 黒の男はどこか高圧的で、白の男はどこか柔和な印象を受ける 一人、彼。左右の男はそう言った ならば、この俺を含めたクラスメート45人のうち一人が本来ならこの場所にいて、他の44人がその一人のとばっちりを受けたことになる ――その一人とは、誰が? 《あなたです》 『お前が、その一人だ』 気づくと俺を挟むようにして二人の男が立っていた 「…え?」 その一瞬の出来事に、俺を除いた全員が波紋状に数メートル後ずさる 「だ、誰だお前ら!?」 いち早く、言葉を発したのはよく教師と口喧嘩をする中島 雅司(ナカジマ マサシ) 『我々はお前たちで言う神だ』 《私たちは、一つの世界において二人で一つの神なのです》 『しかし、とある危機がお前たちの世界に訪れようとしている』 二人の男は神と名乗っていながらもまるで、俺達の世界の神ではなく別の世界の神であるように聞こえた 《その通りです。私たちはこの世界の神ではありません そして、この世界の神はあいにく、私たちほどこの危機を危険視していません》 ――会話がつながっている? すなわち ―――――心を? 『今頃気づいたのか、我々がお前の心を読んで会話していることに』 「ち、ちょっと待てよ! 神だって?じゃあここはどこなんだよ!? まさか、天国?いや地獄か!?」
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加