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~昨日~
桜並木を歩く私と由良。
今から、テニス部の部活見学に行くところだ。
「イケメンの先輩がいるといいなぁ~!」
由良は、嬉しそうな顔で私に話した。
先ほどから、スキップしていたのはそれか・・・。
「ふーん・・・。」
ぶっきらぼうに答える。
すると、由良は思い出したかのように『あっ!』と声を上げた。
「そっかぁ、日和さんは恋愛経験0だもんね~」
おちょくった口調で言う。
事実だけど・・・。
「べっ別にいいじゃん!」
好きな人いない歴十六年。
恋愛に憧れたが、好きという気持ちがわからなかった。
一度でいいから少女漫画みたいな恋をしたい。
そのための高校デビューだと思う!
一人でガッツポーズをした。
「日和ー!
何してんの、行くよー!」
普通に歩いていたのに由良はもうテニスコートの前。
張り切ってるなぁ。
私もあれぐらい頑張らないと恋なんて出来ないのかなぁ。
「はーい!」
テニスコートへ走った。
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