ギブ・ミー・カフェイン

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「女に自分の願望押し付けてんじゃねぇ! この自己チュー野郎が!」 「ぐぅっ……!?」 結局蹴るのかよ、なんてツッコミを入れる間もなく次の暴力。雅人が痛みに身を屈めたところに、凛のショートアッパーが刺さり横隔膜を突き上げる。呼吸が止まり、肺が口を飛び出して裏っ返りそうな激しい嘔吐感。 「か……は……」 膝から崩れた雅人に凛は無慈悲に追撃を加える。 「男のことなんて……忘れたいのに!」 メイド衣装用革靴で、爪先を鳩尾に捩込み、踵で肋骨を軋ませ、内臓を潰す勢いで足の甲で腹部を蹴る。 「っ……ぐっ……がぁっ……」 雅人の顔が苦痛に歪み、体を本能的に強張らせる。 雅人の苦悶する姿を見て、凛は砂場の城を壊すような、アリの巣を埋めるような、そんな子供じみた嗜虐感に心が満たされていた。 ――――なんだよ、大口叩いといて、雅人もこの程度かよ。
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