ギブ・ミー・カフェイン

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「凛」 呼ばれた凛は頬を強張らせ、吊り上がった大きな目で睨む。 「うるせぇ! 気安くあたしの名前を呼ぶな! もう出てけ! 出てけよ……!」 拒絶の意志で腕を振ると、その腕を掴まれた。 「あ……こら! は、放せ!」 「嫌だ!」 「っ!?」 いつもと違う剣幕に、思わず圧倒される凛。 真ん前に立つ雅人の大きく見開かれた目の中央には、黒鉄色の瞳。 「男を嫌うなら嫌え。俺を殴りたきゃ殴れ。罵倒したけりゃ罵倒しろ。凛の気が済むならそれでもいい。だけど! 俺は凛を嫌いにはならないし、この手はぜってぇ放さねぇ!」 血が止まりそうなくらい、凛の手を握る。 「ここで凛の手を放したら、俺は、この先ずっと後悔することになる」 「…………」 凛は羞恥心、戸惑い、疑問、様々な感情が入り乱れた表情。 目を逸らしたかったのに、なぜか不可避の重力に引っ張られるようで雅人から目を離せなかった。 目線を逸らさず、握った手を放さず、肩で息をしながら雅人は続ける。 「凛、とりあえず言っておく」
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