ギブ・ミー・カフェイン

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自分のペースを崩された凛の心に、雅人の真剣な目が、力の篭った声が入り込んだ。 凛は思わず息を呑む。 息が苦しい。 呼吸って、どうやるんだっけ。 呼吸困難を起こす胸の奥で心臓が勝手に暴れて、熱い血液が頭を巡り、思考回路を掻き乱す。 胸に渦巻く、理解不能な感情。 ――――なんで、なんでコイツのことが、かっこよく見えてくるんだよ! 「い、言いたいことって、なんだよ?」 何を言われるんだろう。 だんだん、自分が自分じゃなくなっていく感覚。 今、言い寄られたら、きっぱり断ることができるのだろうか。 そんな疑問を抱えていると、対峙する雅人は、大統領選挙の演説でもするかのように堂々と仰々しく言い放った。 「お前のどこが『理想のメイドさん』だぁあああああああっ!」 「…………は、はあっ!?」 予想外過ぎる発言に、凛の眉間にシワが寄った。
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