ギブ・ミー・カフェイン

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「凛は全っ然優しくないし、すぐ手が出るし足が出るし口は悪いし、朝の機嫌は最悪だし、家事能力は微妙だし。メイドとしての魅力なんて美少女なことと巨乳なことぐらいしかねぇだろうが!? 俺が凛に『理想のメイドさん』を見出していただとぉ!? 思 い 上 が る な バカヤロォーッ!」 「ンだとぉ!? ぶち殺すぞ!?」 凛のツインテールが威嚇のように逆立つ。それに対応するように、急に声のトーンを落ち着かせて雅人は言う。 「だけどな、凛。俺は……そういうとこも含めて、凛が好きなんだ」 「……はぇ?」 空気が抜けて萎んだ風船のように怒りのオーラが無くなり、マヌケな声が出てしまった。 「凛の言う通り、俺は自己チューな男だよ。凛のことをもっと知りたいし恋人になりたいし独り占めしたいしイチャイチャエロエロなことだってしたいさ! ああそうだよ、みんなを幸せにしたいってのも全部俺のエゴだ! だから、たとえ凛が男嫌いを貫くとしても、俺は俺のエゴを貫く!」 「……」 凛は口をあんぐりと開け、完全に呆気に取られている。 雅人は再び力強く手を握り締めて、威風堂々と、そして嬉々として心の底から叫び続ける。 「俺は自分の気持ちに嘘はつけないし、つかない。凛のことを絶対に諦めないッ! だからな、耳の穴かっぽじってよく聞け!」 そして、口から息を吸い込んで、全身全霊を具現化したような咆哮をあげた。 「俺は、凛のことが、大・好き・だああああああああーーーーーっ!!!!」 .
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