ギブ・ミー・カフェイン

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「……」 「……」 肌から変な汗が出るような嫌な沈黙。 そののち、二人の心の声が一致した。 なんだこれ! すごく気まずい! 耐えかねた凛は真っ赤な顔でベッドから腰を上げて雅人の袖を掴み、部屋の外に連れ出そうとする。 「ああもう、来い!」 「え、ちょ、どこへ?」 凛は目も合わせず乱暴にドアを開けて、のしのしと廊下に出る。 「うるさい黙れ変態。笑いすぎてのど渇いたからコーヒー飲みいくんだよ。お前も飲め!」 夜更かしが多い凛にとってコーヒーは必需品であり、それなりにこだわりも持っている。 しかし袖を引かれて廊下を早足で駆け抜ける雅人は申し訳なさ気に、 「あー、ゴメン。俺コーヒーで腹壊すからさ」 「けっ! 軟弱スイーツ野郎め。そのまま糖尿病になって足の指腐らせちまえ!」 「だから何なんだよその理不尽かつ具体的な罵り方は!?」
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