ギブ・ミー・カフェイン

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前を歩く凛は雅人のツッコミに鼻息で返す。そして、一度ちらっと雅人を見てから視線を外し、どこか落ち着かない様子で左手でツインテールをくるくると弄る。 「あー。あと、カフェイン摂取したら、今日はあたしの部屋でゲーム大会な。二人で。地球〇衛軍2を中古で買ったはいいが一人じゃクリアしきれなくてさ」 「おおう!? うん、オッケーオッケー。ついに凛のデレフラグ――――」 「その言葉を待っていた!」 「ぁがっ!?」 スパーンと、後頭部を景気よく叩かれる。 「やー、やっぱ雅人はこうじゃないと」 「痛ぅ~。まだ殴るのかよ」 雅人が涙目で頭を摩ると、凛がピタリと立ち止まり、先ほどのことも気にかけているのか、殊勝な態度で謝罪してきた。 「あ……そっか……ゴメンな」 「あ、いや、凛、俺は大丈夫。どうってことない」 だから急にそういうしおらしい態度とるなよなぁ!と雅人は心の中だけで叫ぶ。 「でもあたし、ひどいことしたよな。だからさ……」 何なんだよ今日の凛は。 さっきから混乱させられっぱなしの雅人の心の中ではありとあらゆる妄想が渦巻く。 ひょっとしてこれは『お詫びとして、あたしの体で癒してやるよ……バカ』とかそんなこれなんてerg展開かとか―――― 「お詫びとして、あたしと徹夜でゲームしようぜ!」 「お前はどこまで俺の心を弄べば気が済むんだぁあああああああっ!」
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