まずは家族会議です

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「……陽菜は、たまにお兄ちゃんが羨ましくなるです」 「羨ましい?」 「はい。お兄ちゃんは、したいことをして、言いたいことを言って……それでいてきちんとスジを通しているのですから、すごいと思います。陽菜は、言いたいことがあっても上手く言えないこともあるですし……」 そう言って視線を落とす陽菜。 雅人はあやすようにぽんぽんと頭に軽く触れてから、前髪をそっと手櫛ですく。 「陽菜ちゃんは、陽菜ちゃんのままでいいんだよ」 「でも……」 何か言いたげに小さな唇をわずかに開く陽菜に、雅人はニコニコと笑顔を向ける。 「俺なんてすぐ口に出ちゃうから、いつでもお調子者扱いだよ。陽菜ちゃんはきっと、まず相手のことを考えることができる、優しい子なんだね」 「……」 無言でほんのり頬を染める陽菜の頭にまた手を置く。 今度はカチューシュの後ろ、頭のてっぺんから耳のあたりまで広範囲を大雑把にわしゃわしゃと撫でる。 「ん……あ……」 しばらく撫でていると陽菜も機嫌を直したのか、猫のように目を細める。 「陽菜ちゃんて、頭撫でられるの好き?」 「ふぇ?」
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